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歯が抜けると認知症になりやすい!?

歯が抜けると認知症になりやすい!?

歯と認知症はどのように関係するのか

 人間の歯は、通常28本(親知らずを含めると32本)です。しかし加齢とともに、歯が失われてしまい、日本の70歳代の歯の平均本数は約15本と言われています。歯が抜けることは、口の中だけでなく、体の様々なところに影響を及ぼします。今回紹介する認知症も、その影響のひとつです。

歯が抜けることのデメリット

 歯は抜けてしまうと、本来あるべきところにあるはずの歯がなくなるわけですから、様々な影響が出てきます。

 ・歯列にかかる力のバランスが崩れてしまい、抜けた歯の隣の歯が傾いたり、移動してしまったり、ねじれてしまうことによる、噛み合わせの変化。

 ・歯が抜けてしまい、周辺の歯が移動するなどの変化が起きることで、歯周辺の組織にダメージを与えてしまい歯周病になりやすくなります。

 ・歯が抜けてそのままの状態にしておくと、食べ物の咀嚼能率が悪くなってしまい、消化に悪影響を与えてしまいます。

 この他にも、歯が抜けてしまうことで、顔の形が変わり、見た目にも変化が表れたりと、外見的にも機能的にもダメージを生じることがあります。

認知症と歯の関係とは

 前項で紹介したように、歯が抜けることで様々な箇所がダメージを生じます。では認知症は、どのように歯と関係してくるのでしょう?

 歯は、食べ物を噛みながら細かくすり潰してから飲み込みやすくする咀嚼機能以外にも、脳に刺激を伝達する役割があります。食べ物を口の中に入れることで、歯根膜から神経を経由して脳へと刺激を送っています。その刺激は、脳における感覚や運動、記憶、思考、意欲を司る海馬と呼ばれる部位へと伝わります。つまり歯が抜けてしまうと、それまで送られていた刺激を送り続けてきた神経も同時に失うこととなり、これが脳の働きに影響を与え、認知症のリスクを上げている理由の一つではないかという報告があります。

 例として、東北大学の研究で、

 「認知症の疑いがある人は9.4本の歯が残っているのに対して、認知症と診断されていない人は平均で14.9本の歯が残っている」という結果が発表されています。

 また、神奈川大学の研究で、

 「20本以上の歯が残っている人に比べ、歯が無く、入れ歯も入れていない人の認知症のリスクは1.9倍。そしてよく噛んで食べることができる人は、そうでない人に対して認知症のリスクは1.5倍。」と高くなっている結果が出たそうです。

 このように歯が抜けると、認知症発症のリスクが十分考えられるということが分かっていただけたかと思います。

歯が抜けたら放置しないで歯医者へ

 今回、認知症と歯との関係について紹介していきました。実のところ、現時点での歯と認知症の直接的な因果関係はまだ判明していません。しかし、前項で紹介した研究結果からも分かるように、歯を大切にすることが認知症予防につながるということがお分かりいただけたかと思います。

 仮に歯が抜けてしまって、入れ歯やインプラントなどでも、脳への刺激を伝達させることは可能です。最も危険なのは、歯が抜けてからそのまま放置しておくことが最も危険な状態です。認知症のみならず、あらゆる病気の予防のためにも、自分の歯の管理をしっかりと行っていきましょう。