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歯周病がアルツハイマーを悪化させる可能性

歯周病がアルツハイマーを悪化させる可能性

歯周病とアルツハイマー病の関係とは?

歯周病の治療をせず放っておくと、体の様々なところに悪影響を及ぼすという話題は、過去の記事でもお伝えしてきました。そんな中でも近年、歯周病とアルツハイマー病の関係性が注目されています。今回は、双方がどう影響しあっている可能性があるのかを解説していきます。

年々増加傾向ににあるアルツハイマー病

様々な種類がある認知症の中の約6〜7割を占めると言われているのが、アルツハイマー病と呼ばれる進行性の病気です。脳の神経細胞が徐々に死滅し、脳の機能が悪化していく病気です。発症すると、物忘れが激しくなる、時間や場所が分からなくなる、仕事や家事など段取りが必要な行動が取れなくなる、人や物の判別がつかなくなるなど、日常生活に支障をきたす症状が起きます。そして厚労省によると、2025年までに約700万人を超える人が認知症に罹患すると推計されています。

歯周病菌が作り出す「酪酸」が原因か

アルツハイマー病発症の要因は、完全には解明されていません。しかしその中でも歯周病菌によって作られ、口臭の原因とされている「酪酸」が脳細胞破壊の原因になってると言う仮説があります。酪酸は細胞内に取り込まれると、脳細胞破壊の原因となる「鉄分子」「過酸化水素」「遊離脂肪酸」を過剰に作り出し、「酸化ストレス」を引き起こします。

日本大学歯学部の落合邦康特任教授の研究グループは、「酪酸が動物の脳にどのような影響を与えるのか」の研究を、健康なラット3匹を使用し調べました。まずラット3匹の歯肉に酪酸を注射。6時間後に「海馬」「大脳」「小脳」の酸化ストレスの状態を分析しました。その結果、酪酸を注射したラットは通常のラットに比べて、すべての部位で「ヘム」「過酸化水素」「遊離脂肪酸」の濃度が平均で35〜83%も上昇していることがわかりました。中でも海馬での上昇率が顕著で、「ヘム」は平均79%過酸化水素は平均83%「遊離脂肪酸」は平均81%濃度が上昇していました。また、細胞の自殺を誘導する酵素「カスパーゼ」の活性を測定すると、海馬で平均87%増加していました。さらに、アルツハイマー病の患者の脳神経細胞内では、物質輸送に関わるたんぱく質「タウ」が異常に蓄積するが、酪酸を注射したラットは通常のラットに比べ、海馬で平均42%もタウの量が増加していたことがわかりました。

まとめ

今回は歯周病がアルツハイマー病のリスクを高める可能性について紹介してきました。アルツハイマー病に限らず歯周病を放置してしまうと、このような悪影響を及ぼしかねません。すぐに生死に関わることがないこともあり、放っておく人が多いと思います。一大事になる前に、歯に違和感を感じたらかかりつけの歯科医院へ相談に行きましょう。